南三陸ネイチャーセンター友の会の重点活動のひとつ、「南三陸イヌワシ火防線トレイルプロジェクト」の公式ムービーが、パタゴニア日本支社さんの全面的なご協力により公開の運びとなりました。
プロジェクトの狙いや、実際の山での作業の様子が、美しい映像とともに分かりやすくまとめられていますので、みなさまぜひご覧ください。
実は撮影されたのはプロジェクト開始当初で、今よりも少しだけ若い会長や事務局長が出てきていろいろ喋ってますが、そこはご愛敬ということで‥
南三陸ネイチャーセンター友の会の重点活動のひとつ、「南三陸イヌワシ火防線トレイルプロジェクト」の公式ムービーが、パタゴニア日本支社さんの全面的なご協力により公開の運びとなりました。
プロジェクトの狙いや、実際の山での作業の様子が、美しい映像とともに分かりやすくまとめられていますので、みなさまぜひご覧ください。
実は撮影されたのはプロジェクト開始当初で、今よりも少しだけ若い会長や事務局長が出てきていろいろ喋ってますが、そこはご愛敬ということで‥
3年目位の若いイヌワシ(2008年岩手県側北上山地にて撮影。写真提供:鈴木卓也)
報告が遅くなってしまいましたが‥
昨年12月7日、「南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト」の新たな動きを宮城県庁記者クラブで発表し、翌12月8日には南三陸町役場「マチドマ」にて発表内容に関するフォーラムを開催し、町内外のおよそ50人の皆さまにご参加いただきました。
2018.12.8「イヌワシと共に暮らせる林業をめざして~南三陸から始まる新たな取り組み~」開催風景(南三陸町役場マチドマにて)
すでに新聞報道等でご存じの方もいらっしゃると思いますが、発表内容の肝は、イヌワシ繁殖地として国の天然記念物にも指定されている翁倉山周辺において、国有林を管理する東北森林管理局、町有林を管理する南三陸町、民有林として自社が管理する森林を持つ株式会社佐久の三者が連携して、イヌワシの生息環境の再生を図りつつ、持続可能な産業としての林業を協同で推し進めていくことで合意したというものです。
草原性の大型猛禽であるイヌワシは、鬱蒼とした森林環境のもとではその大きな身体が災いして餌の確保が難しく、草地や伐採跡地のような開けた山の環境を必要とします。
かつての日本の山には田畑の肥料(緑肥)や家畜の飼料、屋根材としての茅場などの草地が多く、また薪炭林や用材林としての林業も盛んで、イヌワシが餌狩場に不自由することはありませんでした。
ところがその後、高度経済成長期に入ると、肥料は化学肥料(金肥)に、家畜の餌は配合飼料に、茅葺き屋根は安価なトタン屋根などに置き換わって山の草地の価値が低下し、一方で薪や炭などの燃料は灯油やガスといった化石燃料に取って代わられ、建築用材も安価な外国産材に押されて国産材の需要と価格が低迷し、日本の山は経済的に立ち行かなくなりました。結果、十分に手入れの行き届かない荒れた森林に山々は覆われ、イヌワシは絶滅の危機に瀕しています。
翁倉山域もまさにそのような状態で、巣のある谷は厳重に保護されていますが、周辺の山々まですっかり木々に覆われてしまい、イヌワシが餌を獲れるような開けた環境は非常に少なく、ヒナを育てて巣立たせるのに十分な量のノウサギなどの餌動物を獲れるような状況にありません。事実、2011年を最後にペアの定着は見られなくなっています。
そこで今回、私たちのプロジェクトでは、イヌワシが餌狩場として利用できるようなある程度のまとまりを持った面積の伐採(皆伐)を主眼とする計画を立てました。
翁倉山麓に120haほどの管理林を持つ株式会社佐久では、これまでも強度の間伐や細やかな路網の整備など、イヌワシの生息環境の改善に配慮した森林施業を行ってきましたが、今後5年間で5haの皆伐と再植林を行うことを森林経営計画に盛り込みました。
宮城県石巻市北上町女川(谷多丸)地区 株式会社佐久管理林
また、翁倉山域の大面積を管理する国有林(宮城北部森林管理署)では、山頂から半径10km圏内の人工林の7.7%にあたる約154haを今後5年間の主伐対象とする森林経営計画を立てており、それも単に丸裸にするのではなく、渓流沿いに保護樹帯を残し、再造林には従来のスギやアカマツから成長の早いカラマツに樹種転換し、それも30年の伐期を2サイクルに分けて15年ごとに新たな伐採地を創出できるよう調整するなど、国有林ならではの先進的な取り組みを計画されています。
南三陸町では森林経営計画を更新したばかりのため同じタイミングでの経営計画の策定にはいたりませんでしたが、町の森林整備計画にイヌワシの生息環境再生への配慮と官民一体となった取り組みの推進を明記し、次期の森林経営計画から同一歩調で取り組むこととなりました。
国有林と町有林、さらに民間の山林所有者が協同してのこのような取り組みは日本初のことです。イヌワシの生息地が国有林率の高い奥山ばかりではないこと、山の管理主体としての官民が連携しての取り組みが希少生物の保護だけでなく持続可能な林業の振興のためにも求められていることを考えると、私たちの取り組みは広く全国に展開でき得る先進的な取り組みであると自負しています。
先に、翁倉山域ではイヌワシのペアの定着が見られなくなっていると記しましたが、テリトリーを持たない若いワシの一時滞在は現在でも時おり見られます。私たちの取り組みが功を奏し、若いイヌワシが翁倉山域をテリトリーとして定着し、ペアとなってヒナを育て、純白の斑紋をきらめかせた巣立ちビナが南三陸の空を舞う姿を取り戻すのが目標ですが、それが先例となって各地で同様の取り組みが進み、日本のイヌワシが絶滅の危機を脱すること、しかもそれが持続可能な山の資源の利用としての林業によって無理なく維持される仕組みを確立することができれば最高です。
南三陸町VIRTUAL MUSEUMより(写真提供:南三陸町)
今後さらに、翁倉山域で境を接する登米市・石巻市の市有林や民有林との連携も図りながら、生物多様性のシンボルともいえるイヌワシと共に暮らして行ける地域社会をめざして取り組んで行きますので、皆さまご支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます!
来る2018年12月8日(土)12:30〜16:00 行徳公民館(千葉県)において「三番瀬ワークショップまつり」が行われます。
三番瀬といえば東京湾の最奥部に広がる広大な干潟で、人口密集地と距離が近く様々に利用されてきた歴史があります。
環境問題へも早くから取り組み、人の営みと自然との共存を模索してきた場所です。
この度、三番瀬環境市民センターさんとのご縁で南三陸ネイチャーセンター友の会もイベントに協力することになりました。藻場の再生に取り組んでいることから「海藻ハーバリウム」で海草/海藻の魅力をお伝えします。岩手大学の自然史探偵団のみなさんと共にブースにおります。南三陸の海草/海藻も持って行きます。
他にも楽しいプログラム盛りだくさんです。
関東圏にお住まいの方、お知り合い方で興味がありそうな方、お誘い合わせの上ぜひご来場ください。
<南三陸イヌワシ火防線プロジェクト>トレイル整備プログラム 開催報告
見事な秋晴れとなった11月10日(土)~11日(日)、
県内はもちろん、関東方面からもご参加いただき、定員の15人は
朝晩めっきり冷えるようになったと思ったら、もう11月。
里の柿やりんご、海の牡蠣やアワビなどなど、食欲の秋も満開といったところ。
<南三陸イヌワシ火防線プロジェクト> トレイル整備プログラムもいよいよ間近となりました。
このイベントでは、1日目にトレイルを巡り、2日目に藪を伐り拓いてトレイルを整備します。
先日は山麓の集落の人たちが集まって、毎年恒例の登山道刈り払いを行いました。
背丈を越えるようなススキが繁茂していましたが、登山口から祠のある山頂まで、20名くらいで1時間半。さすが手慣れた人たちの作業だといつもながら驚きます。
ついでに道の脇に顔を出したキノコもゲットするところ、さすがです。
友の会メンバーも、負けじと(というわけではありませんが)山頂から先の薮に突っ込みました。
2018年10月18日をもって、「志津川湾」
めでたいことだ。
たしかに
南三陸町では過去2度に渡ってラムサール条約シンポジウムが開か
何度も「もう決まりだ」「でも、まだ本登録ではない」
通のみなさまにおかれましては「また言ってるよ」
登録されたことは間違いなさそうだ。
めでたしめでたし。
?
??
???
ここで改めてラムサール条約ってなんだ?をおさらいする。
正式には上記公式サイトにある通りだが、超訳すると(
いろんな生きものにとって大事な場所をみんなで大切にしていく約
小学生の標語にありそうだ。
子どもは常に賢いな。
ここで重要なのは
「みんな」と「していく」だ。
個人的に約束した覚えはなくても、
!!!
先は長い。
必ずしも張り切って特別なことをしなくてもよい。
知ること
伝えあうこと
守ること
使うこと
暑かったり寒かったりと、なかなか安定しない今年の夏ですが、早くも秋(それも晩秋)の山イベントをお知らせいたします。その名も「南三陸イヌワシ火防線プロジェクト・トレイル整備プログラム」!
以前このブログでも紹介したとおり、南三陸ネイチャーセンター友の会では、南三陸町を取り巻く町境の分水嶺などにかつて整備されていた「火防線(かぼうせん)=山火事の延焼防止等のためにひらかれた帯状の無樹林地」をふたたび歩けるようにするプロジェクトを進めていますが、今回なんと!旧火防線や巡視路の跡を切り開いていく作業を実際に山で体験していただく一泊二日のツアーを企画いたしました。
夏である。
連日の暑さもあり、バテ気味になってる御仁も多かろう。
文明の利器の恩恵に預かれるならば大いに利用し、
さて、ここ南三陸町では暑いと言っても熱帯夜はほとんどない。
夜は快適に動ける。星見が捗る。
この夏の夜空はやる気だ。
月食に始まり、火星大接近、ペルセウス座流星群も月齢がよい。
月食は残念ながら曇りで月影すら見えなかったが、
火星の魅力と言えば、その赤さだ。肉眼で見てもはっきり赤い。
大接近中であり、位置もやぎ座で見やすい時刻に昇ってくる。
お近くに天文台、科学館、プラネタリウムなどがあれば、
ちなみに右隣のいて座には土星が、さそり座を飛ばして、
夜空を見上げて明るい星を見つけると嬉しい。
その感覚は知識を得ても変わることはない。
子ども自然史ワークショップ2018のお知らせは、お手元に届いているだろうか。
2018年7月16日(月)海の日
12:30〜16:30
南三陸町戸倉公民館
海藻、化石、イヌワシ、海、植物など
南三陸の自然をテーマにしたワークショップが一堂に会します。
次のような方には参加を強くおすすめします。
・とにかく生きものや自然が大好きだ
・という子どもの質問に答えられなくて困っている
・生きものに興味がある
・自然に興味がある
・が、どうしたらいいか分からず気持ちを持て余している
・子どもに自然と触れあって欲しいが方法が分からない
・子どもとお出かけをしたい
・このブログを読んだ上に16日は予定がない
生きものや自然の魅力を伝えるべく、準備も着々と進んでおります。
お代や予約は不要。
小さなお子さんが休める部屋などもございます。
夏休み寸前。
遊びたい気分が上昇しているであろうこの時期に、
ぜひとも、お出かけください。
去る3月24日、パタゴニア日本支社さんの全面的なご協力のもと、南三陸町入谷地区と志津川地区、歌津地区にまたがる山歩きイベントを開催しました。
その名も「南三陸火防線ウォーキングイベント」!
「火防線」と聞いてピンとくる人も今では少ないと思いますが、かつて林業が盛んだった頃には、日本の山々には村境の尾根線を中心に、山火事の延焼防止のための幅広い無樹林地が通路状に延々と設けられていて、それらは「火防線」「火防帯」あるいは「防火帯」などと呼ばれていました。放っておけば草木が繁って埋もれてしまうその帯状の土地は、地元の方々が刈り払いなどの整備を怠りなく続けていたからこそ維持されてきたのですが、長引く林業不振によって、その多くはヤブと化してしまいました。
そうした、かつての火防線跡を中心とした尾根道を、再び歩けるようにしようと、南三陸ネイチャーセンター友の会では「火防線トレイルプロジェクトとして、2015年2月から刈り払い等の作業を進めてきましたが、このたび入谷タラ葉沢の盆地をぐるりと囲む惣内山~坂の貝峠~神行堂山のルートがついに開通したので、そのお披露目を兼ねたイベントとして開催させていただきました。
以下、そのレポートをお伝えします。