<南三陸イヌワシ火防線プロジェクト>トレイル整備プログラム 開催報告

見事な秋晴れとなった11月10日(土)~11日(日)、南三陸イヌワシ火防線プロジェクトが始動してから初となる、公募による火防線の刈り払い作業が行われました。

県内はもちろん、関東方面からもご参加いただき、定員の15人はあっという間にいっぱい。友の会スタッフに株式会社佐久の作業班、プロジェクトにご支援いただいているパタゴニア日本支社のスタッフの皆さん、さらにはプロトレイルランナーである石川弘樹さんにもご参加いただき、楽しく賑やかな作業となりました。

今回、日本トレイルランナー界のレジェンドである石川さんが参加されることもあって、応募された方の多くはトレイルランナー愛好家。初日は昨年度までに刈り払いが終了した区間を辿り、一部は走っていただきました。もっとも友の会スタッフに走れる人はいないので、走る方の対応は石川さんとパタゴニアの篠さん、八木さんにすっかりおまかせとなってしまいましたが、ガンガン走るというのではなく、景色を愛で、紅葉を愛で、靴底に感じる落ち葉の感触を愛でつつゆっくり楽しく走られたようで、徒歩チームとほとんど大差ない帰着時間。そのペースならイケるかも‥と思ってしまった私はすでに石川さんのトレランマジックにはまってしまったかも知れません。

 

特筆すべきは友の会スタッフであるひーさんの峠のカフェ。コース中間点となる坂の貝峠では、ロケットストーブによるコーヒー、紅茶、手作りパン、焼きリンゴなど、地元入谷の食材も取り入れたおもてなしで、ひーさんのライフスタイルも含めてちょっとステキな時間でした。「おんなじことしてるのになぜ私はステキ感に乏しいのか‥」とハイジがボヤくことしきり。

 

宿泊は校舎の宿さんさん館。食堂での夕食、研修室での交流会、大部屋に戻っての二次会(三次会?)と、主催者側が云うのもなんですが、食べつつ呑みつつ楽しく有意義な時間を過ごせたと思います。

二日目は、プログラムの主眼である旧火防線の刈り払いとトレイル化作業。皆さん早起きして、7時には童子山頂に向けて出発。おにぎりの朝食とレクチャーの後、昨年度刈り払い済みの稜線を500mほど進んでいよいよ作業開始。作業が進捗すればするほど作業現場へのアプローチが長くなるのがこのプログラムの難しいとことですが、さすがはトレラン経験者を中心としたチーム、山慣れしていると云うか飲み込みが早いというか、佐久の作業班のおふたりによる刈り払い機での先導があるとは云え、転倒の原因ともなる根カブを手ノコで丁寧に除きつつ、3時間半ほどの作業で一気に600mがトレイル化されました。

まだまだやる気満々といった雰囲気のなか、移動時間から逆算して11時にて作業終了。再び童子山頂を乗っ越えて山麓の草地まで降りると、昨日に引き続きひーさんの「山の食堂」がオープンしていました。今日のメインはサツマイモの豚汁。豚も野菜も地元産。さんさん館で朝早くから握っていただいた新米のおにぎりも、差し入れの漬け物も、なんなら飲み水も含めて食材のほとんどすべてが地元産。心地の好い陽ざしのなか、私自身も里山の豊かさを改めて実感することができました。

交流会でも話題になりましたが、トレイルランニングという新しいスポーツに対する私たち「歩く側」の偏見、あるいは一部の悪質なランナーや団体によるトラブルや環境負荷の問題などありつつも、今回ご参加の皆さんは、走る側も歩く側も垣根なく、山の多様な楽しみを共有し共感できるステキな方々でした。

 

今季はもう一回、12/1~2に開催しますが、こちらもすでに定員に達し受付を終了させていただいております。パタゴニア日本支社さんとの繋がりから生まれたこの企画、友の会の事務局長である太一さんの「トレイルランナーにオレはなる!」発言もあり、息の長い事業として来季からも継続して行きたいと考えております

歩く派、走る派、興味はあるけど一歩を踏み出せずにいる方、まったく別の山の楽しみ方をご存じの方も、歓迎いたします。そしてあやうく忘れるとことでしたが、最終的な目的は町のシンボルバードであるイヌワシがともに暮らせるふるさとの山の環境を取り戻すことです。皆さま引き続きよろしくお願い申し上げます!