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第11回南三陸自然史講座 「GPS追跡でわかった南三陸のコクガンの暮らし」

コロナ禍で自粛しておりました自然史講座ですが、10ヶ月ぶりに再開いたします!

 

第11回のテーマは、コクガンお話しするのは、南三陸ネイチャーセンター友の会の会員で、ガン・カモ類の研究者である嶋田哲郎(しまだてつお)さん。昨年11月に引き続き、2回目のお話となります。

1月下旬に志津川湾において、4羽のコクガンの幼鳥を捕獲し、GPS 送信機を装着して追跡しました。湾内では身近に見ることができるコクガン。追跡でわかった暮らしぶり、春にどこへ行くのか、さらに新しくわかったコクガンの生態も含め、最新情報をご報告いたします。 

<新型コロナウィルス感染症拡大防止策について>
・体調不良の方、発熱のある方の参加はご遠慮ください。また、当日受付時の検温にご協力願います。
・受付にて御記帳時に、ご連絡先をご記入いただきますので、ご協力をお願いいたします。
・入場の際はマスクの着用、手指の消毒にご協力ください。
・会場はソーシャルディスタンスをとった適切な座席配置、館内の換気をこころがけます。
・万一入場者数が用意した座席数を超えた場合、入場は先着順とさせていただきます。ライブ配信もご活用ください。ライブ配信のアドレスは当会HPにて当日公開いたします。
・宮城県及び南三陸町内の感染状況により、止むを得ず内容を変更(中止・延期含む)させていただく場合があります。

日時:2020年12月17日(木)19:00-20:30
会場:南三陸町自然環境活用センター
(宮城県本吉郡南三陸町戸倉沖田69番地2 電話:0226-25-9703)
参加費:入場無料

 

コクガンとGPS

GPS機器と足環のついたコクガン

(写真提供:南三陸町)

国の天然記念物であり、南三陸町では割と身近な鳥でもあるコクガン。
昨年11月の「南三陸自然史講座」では、コクガンの生態や、志津川湾でのコクガン調査の概要について学んだところですが、講座でお話しいただいた嶋田さん(宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 総括研究員)から調査の続報が届きましたので、おしらせします。
町内のコクガンたちがどんなルートでシベリア(?)に渡るのか?今後も気になりますね!

==以下、嶋田さんより==

伊豆沼の嶋田です.
GPS付きコクガンの現況をお知らせいたします.
標識コクガンは4羽でいずれも幼鳥です.
背中にGPS,右脚に金属リング,左脚に黄色のカラーリングが付いていて,その番号はそれぞれ37,42,43,45です.
37は親と行動を共にしているようですが,その他3羽は単独で動いています.
残念ながら送信機の故障で37からの電波は途絶えています.
37,42,43は泊浜漁港のスロープ,45は津の宮漁港のスロープでよく見られています.
その場所でそれぞれ4羽を捕獲しました.
これまでの動きをみると,昼間は漁港,夜間はその少し沖合で過ごしてます.
最近少し動きが大きくなってきて,特に42は昼間は泊浜漁港にいますが,夜間は伊里前沖で過ごしています.
コクガンは南三陸から北海道道東の野付湾へ渡ります.
流氷明け待ちなので,内陸のガン類より渡りが遅れます.
それでも野付でオオハクチョウ(伊豆沼発のオオハクチョウも道東へ渡ります)が到着したようですので,まもなく渡りの時期を迎えると思います.
(2020.3.12)

 

今シーズンのイヌワシ火防線

秋〜春にかけてはヤブ活(イヌワシ火防線プロジェクト)のシーズンです。
トレイルを楽しみながら整備するイベントなど多くの方々にご参加いただきながら活動してきたのですが、今シーズンは訳あってそれができませんでした。
火防線ファンの皆さまには申し訳ありません。
というのも、あの「令和元年東日本台風(台風19号)」によって、プロジェクトと関わりのある山林も痛手を受けたことが原因です。

”イヌワシの森を取り戻す”活動は、ネイチャーセンター友の会の「イヌワシ火防線トレイルプロジェクト」のほかにも、官民共同で”イヌワシと共生する林業”への取り組みという形でも進んでいます。
伐採と再植林を計画的に実施することによってイヌワシの狩り場となる山の開けた環境を維持するとともに、効率の良い林業を協力しながら行いましょう、という取り組みです。
その取り組みの中心となる山が被害を受けたため、友の会としても放っておけない!ということで、ボランティアでの植林作業などを行いました。
作業は、豪雨によって崩れた林道を苗木を背負って歩くなど危険が伴うため、広く協力をお願いすることができませんでしたが、プロジェクトに関わってくださっている強者の方々のご協力もあり、予定していた植林を終えることができました。
ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

火防線の山の被害はというと、アクセスのための山道がやはり崩れたり土砂で埋まったりといった被害を受けましたが、トレイルそのものは大丈夫でした。
というわけで、火防線の整備の方も会員の活動としてコツコツと行なっている次第です。

春はあけぼの

春はあけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる 雲のほそくたなびきたる。

これを読むと清少納言は京都住まいだったのだなと思い至る。

ここ南三陸の大部分において、日の出は海、日の入りは山である。水平線に太陽が表れ海面に光の筋が見られる鮮烈な印象の日の出に対し、日の入りは夕焼けによって認識されるものの、真っ赤な太陽が沈む様子を見られる場所は稀であり印象が薄い。南三陸地域でのはじめての天体観察は日の出がおすすめである。直視で見つめないことが肝要だ。

今の時期、日の出を見るならついでに少し早く起きて南東の空を見ると、火星・木星・土星の目視で観察できる外惑星がならんでいる。3月中には火星が東に移動する(ように見える)。惑星の運行を習った諸君はじっくり観察して感覚をやしなう好機である。色の違いも分かるだろう。
不意の休みで生活リズムが乱れがちなら、開き直って星でも見てやむを得ずということにしてしまえばよい。そして二度寝ができるのも休みの愉しみ。

「南三陸自然史講座」やってます

ブログの更新が滞っていますが(ごめんなさい)、ネイチャーセンター友の会の活動も滞っているわけではありません。

4月から開催している「南三陸自然史講座」も、すでに第6回までを終了し、
海の生物、陸の樹木、南三陸のナチュラリスト、地層に化石、気象と、様々なテーマでお話を展開しました。
これからも、
コクガン、ネイチャーセンターのことなど、さらに幅広い話題の講座を予定しています。
また、「この話が聞きたい!」とかありましたら、友の会にリクエストしてみてください。

講座は毎月の連続講座ですが、途中からの受講や気になる話題だけの受講もOKです。
毎月第3木曜日の午後7時から、南三陸生涯学習センター(地図)で開催しています。

月々の内容など、詳しくはイベントのページでご確認ください。

 

印刷用チラシ(PDF)はこちら→南三陸自然史講座.pdf

 

~南三陸 山の開口日~「山菜天ぷらツアー」

山菜が採れる5月上旬、南三陸ネイチャーセンター友の会では、旬の山菜を採って食べるツアーを実施しました。

3回目となる今回のツアーでは南三陸町の林業家、株式会社佐久さんのご協力で、山の作業場もお借りし、採った山菜をその場で調理しました。

1回目の山菜天ぷらツアーの詳細はこちらから確認できます→https://m-inuwashi.jp/tenpura-tour/


◆当日は晴れ!しかし前日からの雨による増水

ツアー当日は天候に恵まれましたが、南三陸町内では前日の夜にまとまった雨が降りました。

状況次第では中止の可能性もありましたが、山の危険に関しても詳しい友の会会長はじめ、植物について専攻しているメンバーもおり現地の状況を確認、ルート変更も視野にいれながら何とか山菜天ぷらツアーのスタートです。

「南三陸自然史講座」はじまります

アラメ藻場とウミタナゴ

2019年度、ネイチャーセンター友の会主催で「南三陸自然史講座」がスタートします。

カルチャーin公民館の一環として開講するもので、広く身近な自然をテーマとした連続講座。
講師は友の会会員が持ち回りで務めます。
連続講座ですが、途中からの受講や気になる話題だけの受講もOKです。
毎月第三木曜日の午後7時から、4月に新設された生涯学習センターで開催します。

記念すべき第一回目は5月16日。
講師のトップバッターを務めるのは、町のネイチャーセンター(自然環境活用センター)のスタッフでもある阿部たくぞー博士。
「知られざる南三陸の海の魅力〜その美しさと多様性〜」と題して行います。
南三陸の海の魅力を、水中写真や動画、実物の生物標本を交えて紹介予定です。
海にまつわる楽しい話はもちろんのこと、拓三さんてこんなオモシロイ人だったの?というようなぶっちゃけトークも聴けるかも。ご期待ください!

月々の内容など、詳しくはイベントのページでご確認ください。

申し込み→志津川公民館(生涯学習センター内)0226-46-1341 までお願いいたします。

 

スパイダーと行く~「バンブーレジリエンススピンオフ企画-ぶらばーだー-」開催報告

3月半ば、宮城県内の教職員有志からなるMAP(みやぎアドベンチャープロジェクト)研究会の皆さまを中心に、私たちネイチャーセンター友の会がご案内する形で化石発掘と火防線の刈り払い体験を行いました。

<火防線>童子山〜三人立ルート開通!

思えば、童子山の山頂から藪をかき分け三人立の山頂に立ち、「いつかここに”やぶ活”で訪れることがあるのだろうか」と、田束山や太平洋を眺めながら思ったのは、2018年の元旦のことでした。
それからわずか1年とすこしの時を経て、2019年2月21日、ついに童子山から三人立まで、藪をかき分けなくても歩けるだけのトレイルが開通しました。

記者発表及びフォーラム「イヌワシと共に暮らせる林業をめざして~南三陸から始まる新たな取り組み~」開催報告

3年目位の若いイヌワシ(2008年岩手県側北上山地にて撮影。写真提供:鈴木卓也)

報告が遅くなってしまいましたが‥

昨年12月7日、「南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト」の新たな動きを宮城県庁記者クラブで発表し、翌12月8日には南三陸町役場「マチドマ」にて発表内容に関するフォーラムを開催し、町内外のおよそ50人の皆さまにご参加いただきました。

2018.12.8「イヌワシと共に暮らせる林業をめざして~南三陸から始まる新たな取り組み~」開催風景(南三陸町役場マチドマにて)

すでに新聞報道等でご存じの方もいらっしゃると思いますが、発表内容の肝は、イヌワシ繁殖地として国の天然記念物にも指定されている翁倉山周辺において、国有林を管理する東北森林管理局、町有林を管理する南三陸町、民有林として自社が管理する森林を持つ株式会社佐久の三者が連携して、イヌワシの生息環境の再生を図りつつ、持続可能な産業としての林業を協同で推し進めていくことで合意したというものです。

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