(写真提供:南三陸町)

国の天然記念物であり、南三陸町では割と身近な鳥でもあるコクガン。
昨年11月の「南三陸自然史講座」では、コクガンの生態や、志津川湾でのコクガン調査の概要について学んだところですが、講座でお話しいただいた嶋田さん(宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 総括研究員)から調査の続報が届きましたので、おしらせします。
町内のコクガンたちがどんなルートでシベリア(?)に渡るのか?今後も気になりますね!

==以下、嶋田さんより==

伊豆沼の嶋田です.
GPS付きコクガンの現況をお知らせいたします.
標識コクガンは4羽でいずれも幼鳥です.
背中にGPS,右脚に金属リング,左脚に黄色のカラーリングが付いていて,その番号はそれぞれ37,42,43,45です.
37は親と行動を共にしているようですが,その他3羽は単独で動いています.
残念ながら送信機の故障で37からの電波は途絶えています.
37,42,43は泊浜漁港のスロープ,45は津の宮漁港のスロープでよく見られています.
その場所でそれぞれ4羽を捕獲しました.
これまでの動きをみると,昼間は漁港,夜間はその少し沖合で過ごしてます.
最近少し動きが大きくなってきて,特に42は昼間は泊浜漁港にいますが,夜間は伊里前沖で過ごしています.
コクガンは南三陸から北海道道東の野付湾へ渡ります.
流氷明け待ちなので,内陸のガン類より渡りが遅れます.
それでも野付でオオハクチョウ(伊豆沼発のオオハクチョウも道東へ渡ります)が到着したようですので,まもなく渡りの時期を迎えると思います.
(2020.3.12)